図柄表:ルイ=フィリップ1世 図柄裏:植物装飾 発行地:フランス王国パリ造幣局 発行年:1833年 彫刻師:Joseph-François Domard 銘文表:LOUIS PHILIPPE I ROI DES FRANÇAIS 銘文裏:1/4 FRANC 1833 A 額 面:1/4フラン 材 質:銀(.900) 直 径:15.0 mm 重 量:1.25 g 分 類:VG 355 革命後の発行貨のため、国王ルイ=フィリップ1世は国民に気を遣って裏側のデザインをオルレアン家の紋章ではなく、敢えて植物装飾という当たり障りのないものにしている。貨幣の上に時代の情勢と王の配慮が見て取れて興味深い。 貨幣の刻印された銘文も、「フランスの王」ではなく「フランス人たちの王」という文言に切り替えられているところが、絶対王政から立憲君主制の流れに世の中が変わってきたことの表れである。 立憲君主制では、王でさえも憲法によって拘束され、何でも好き勝手に政治を行うことができないようになっている。それほどにフランスの王権は失墜していた。フランスはイギリスの体制をモデルとし、君臨するも統治せずというスタイルを見本とした。